小沢氏処分、検審へ 民意で起訴の可能性 鳩山首相も審査中(産経新聞)

 「政界の最高実力者」に対する訴追判断は、国民感覚に委ねられることになった。民主党の小沢一郎幹事長の不起訴処分を不当として、市民団体が12日、検察審査会(検審)に小沢氏を起訴するよう申し立てた審査。検察当局は嫌疑不十分と判断したが、小沢氏が民意によって起訴される可能性が出てきた。

 これまで検審の議決には法的拘束力がなかったが、司法制度改革の一環として昨年5月に民意を反映させる「起訴議決制度」が導入された。検審が「起訴相当」と判断した議決に対し、検察が再捜査でも不起訴にした場合、検審が再審査を行い、改めて「起訴相当」と議決すれば、対象者は強制的に起訴される。この場合、裁判所が指定した弁護士が“検察官役”を担って、起訴と公判の手続きを行うことになる。

 小沢氏は今回、2度に渡って東京地検特捜部の任意聴取を受けたが、政治資金収支報告書への虚偽記載について「秘書が独断でやったこと」と自身の関与を否定していた。

 関係者によると、特捜部は、衆院議員の石川知裕被告(36)が「小沢先生に虚偽記載の了承を得た」と供述したことなどから、小沢氏の立件を視野に捜査を進めたが、最終的には検察首脳が「十二分の証拠が必要」と立件のハードルを上げたため、起訴を見送ったとされる。

 こうした経緯もあり、法務・検察幹部の間では「検察は不起訴としたが、検審で起訴される可能性は高い」と指摘する声は少なくない。

 一方、鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件でも、市民団体が先月、政治資金規正法違反罪で告発した鳩山氏を東京地検特捜部が嫌疑不十分で不起訴とした処分を不当だとして、検審に審査を申し立てており、現在、審査が行われている。

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司会者の玉置宏さん死去(時事通信)

 玉置 宏さん(たまおき・ひろし、本名宏行=ひろゆき=司会者、横浜にぎわい座館長)11日午前10時33分、脳幹出血のため神奈川県内の病院で死去、76歳。川崎市出身。葬儀は近親者で済ませた。後日お別れの会を開く。
 文化放送にアナウンサーとして入社、58年にフリーに転じた。同年から77年までTBSの「ロッテ歌のアルバム」の司会者として活躍、「1週間のごぶさたでした」の名せりふで人気を博した。NHKの「ラジオ名人寄席」なども担当、日本司会芸能協会会長も務めた。 

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<列車往来危険>受験でストレス、踏切に自転車…中3を逮捕(毎日新聞)

 盗んだ自転車を踏切内に放置したとして、群馬県警高崎署は11日、同県高崎市の中学3年の少年(15)を盗みと列車往来危険の疑いで逮捕した。少年は「高校受験を控えてストレスがあり、むしゃくしゃしてやった」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、6日午後5時20分ごろ、高崎市内のゲームセンターで自転車を盗み、同45分ごろ、同市浜尻町のJR上越線の踏切内に放置し、電車の往来に危険を生じさせたとしている。

 同署によると、高崎発新前橋行きの回送電車が自転車と衝突したが、けが人などはなかった。この電車が約30分にわたり現場に停車し、上下計17本に遅れが出た。上越線は8日にも、電車が線路上の自転車にぶつかる事故があり、少年は関与をほのめかしているという。【喜屋武真之介】

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都内で今年初のスギ花粉(産経新聞)

 都は10日、町田市の1地点で8日に今年初のスギ花粉の飛散を観測したと発表した。平年より6日早く、昨年より3日遅い飛散開始だという。

 飛散開始日は、1つの観測点で1平方センチ当たり1個以上のスギ花粉が2日以上続いて確認された最初の日を指す。

 都は今年のスギ・ヒノキ花粉飛散量を、昨年の3割、過去10年の平均の3〜4割と予測している。

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「週刊ゴング」の出版社が破産(時事通信)

 帝国データバンクが3日明らかにしたところによると、プロレス雑誌「週刊ゴング」で知られている日本スポーツ出版社(東京都中央区)は1月29日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債額は不明。
 同社は1968年に設立。高校野球雑誌「ホームラン」などの出版も手掛け、96年12月期には売上高28億4800万円を計上した。しかし、プロレス人気が下火となったことに加え、架空取引が判明し、信用不安が表面化。2007年3月に事業を停止し、「週刊ゴング」も休刊となっていた。 

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<火災>住宅全焼4人死傷 兵庫・姫路(毎日新聞)

 7日午前6時半ごろ、兵庫県姫路市網干区浜田、会社員、角倉雅俊さん(64)方から出火。木造2階建て住宅(延べ約200平方メートル)を全焼し、隣接する木造平屋建て納屋(約20平方メートル)も焼いた。焼け跡から1人の遺体が見つかり、県警網干署は角倉さんの母(92)とみて調べている。角倉さんは5人暮らしで1人が入院しており、角倉さんと父俊治さん(94)、次男哲也さん(29)がけがのため病院に搬送された。

 現場は山陽電鉄山陽網干駅から南西約1.5キロの住宅密集地。角倉さん方の隣に住む主婦、帽田芳子さん(81)は「家の中が焦げ臭かったので窓を見たら真っ赤だった。恐ろしかった」と話した。【大久保昂、山川淳平】

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自殺対策緊急プラン、5日に決定=内閣府(時事通信)

 内閣府は2日の政策会議で、2009年の自殺者数が12年連続で3万人を超えたことを受けてまとめた「いのちを守る自殺対策緊急プラン」の原案を与党に提示した。関係閣僚でつくる自殺総合対策会議(会長・平野博文官房長官)を5日に開き、正式に決める。
 原案では、例年最も自殺者数が多い3月を自殺対策強化月間(仮称)に指定。不眠で悩んでいる中高年男性に対し、医療機関を受診するよう呼び掛けるなど、自殺防止の啓発キャンペーンを実施する。失業者を対象にハローワークなどでの健康相談も行うとしている。 

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玉みそ 寒風に揺れる「すだれ」…岐阜・関(毎日新聞)

 岐阜県関市下之保の丹羽鉄夫さん(68)方で、妻の益子さん(67)が昔ながらの製法で作った玉みそが倉庫の天井からつるされ、寒風に揺れている。玉みそは同市の伝統的な調味料だが、最近は作る家庭も少なくなった。

 2〜3カ月間寒風にさらして乾燥した玉みそは、4月ごろに米こうじをまぜた特製のしょうゆに漬け込まれ、12月には完成する。今年は約2000個の出荷を予定し地元のスーパーや「道の駅」などで販売されるという。【大竹禎之】

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隠し金?豪雨被災「萩往還」から銅銭ザクザク(読売新聞)

 昨年7月の集中豪雨で被災した山口市上天花町の国指定史跡「萩往還」の復旧工事現場から、江戸時代の通貨「寛永通宝(かんえいつうほう)」など銅銭316枚が見つかった。

 山口市教委は「当時の往還のにぎわいを知ることができる貴重な資料。復興のシンボルになれば」と話している。

 市教委文化財保護課によると、発見されたのは、わらのひもを通した束になった「銭さし」の計76枚のほか、寛永通宝235枚、7世紀以降の中国産の銅銭5枚。豪雨によって崩壊した路肩の整地作業を行っていた市内の造園会社の作業員が昨年11月8日、地下1メートル付近の土中から見つけ、市教委に報告した。

 同課では、現場が山あいで周辺に人家や寺社跡がないことなどから、備蓄目的や儀式用だった可能性は低く、萩往還の通行人が落としたか、一時的に隠したものではないかとみている。

 調査した同課の佐藤力主査は「史跡が被害を受けたことは残念だが、結果として銅銭が見つかった。どんな人が落としたのか想像するのも興味深い」と話している。

 市教委は3月16日〜5月9日、同市歴史民俗資料館で出土した銅銭を展示する。入館料は小中学生50円、高校生以上100円。原則毎週月曜は休館。

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「鉄ヲタ専用車両でーす」 暴走する一部鉄道ファンの行き着く果ては…(産経新聞)

 写真を撮ったり、遠くまで旅行したり、ダイヤを眺めたり…。こんなさまざまな楽しみ方がある鉄道。最近は女性の愛好家も増えるなど鉄道ファンの数は増加傾向にあるようだ。ただ、人気上昇にあわせるように一部でマナーが問われる事態も発生している。さらには単なる迷惑行為にとどまらず、犯罪としか言えないような行為も。多くの良心的なファンからは「鉄道を楽しむ場を自ら少なくする行為だ」と懸念する声が高まっている。彼らは、なぜ暴走してしまうのか−。(豊吉広英)

 ■ホームの先端にカメラの砲列 狙うは丸いヘッドマーク

 1月24日、神奈川県と埼玉県の間を結ぶJR京浜東北線。平日なら通勤通学客で混雑するこの路線も土日祝日の昼間となれば、そう多くの乗客はない。日曜日のこの日も、多くの列車は閑散としていた。一部の例外を除いては…。

 午後3時半過ぎ。横浜方面へ向かう列車が東京駅に滑り込んできた。その先頭と最後尾の車両には「ありがとう」「209系」などと記された丸いヘッドマークが装着されている。ホームの先端では、カメラを構えた数十人の一団が待ち構え、ヘッドマークをつけた列車が近づくと一斉にシャッターを切っている。

 この日は京浜東北線から「209系」と呼ばれる通勤型車両が引退する日。ホームの人だかりは、京浜東北線を走る「209系」電車の最後の姿を目に焼き付け、雄姿を撮影しようとする鉄道ファンだったのだ。

 別れを惜しむファンは、車内にも多数乗っていた。特に先頭の車両は朝のラッシュ時にも負けない満員状態だ。

 何も知らずに乗ってきた一般の乗客。その目の前では、信じられないような異様な光景が繰り広げられていた。

 ■「一般人は乗れませーん」 響く声に周囲は…

 ほとんどが男性のその集団は、駅に到着するたびに「うおー!」という歓声を上げていた。そして、ドアが開くと同時に一斉にホームへ駆けだして写真を撮り、また駆け足で車両に戻るという動きを繰り返す。車内を見渡すと、座席では靴を脱いで立ち上がり、うれしそうに車内を眺める少年の姿もある。隣に座った初老の女性は、少年が背負ったバックパックが何回もぶつかり、思わず顔をしかめているが、車内で大声を上げる集団は誰も少年をとがめようとしない。

 そのうち、一般の乗客が乗ろうとすると、満員の車内から、甲高い叫び声が聞こえてきた。

 「一般人は乗れませーん」

 「鉄ヲタ専用車両でーす」

 途中、外国人とみられる親子が乗ってきたが、父親に抱かれた幼児は、あまりの騒音に泣き出してしまった。何が何だか分からない様子の親子は、次の駅で慌てて下りる羽目に。

 午後6時13分。京浜東北線を走る最後の209系が終点の南浦和駅に到着する時間になったが、その列車は定刻を過ぎても姿を現すことはなかった。やっと先頭車両に設置されたヘッドマークが見えてきたのは、予定時刻を20分以上も過ぎたころ。一連の騒動でダイヤが乱れたとみられるが、「まあ、こういう車両ですから」。ホームで警備を行う駅員は、あきらめた口調でこうつぶやく。

 列車がホームに滑り込む。ドアが開いた瞬間、満員の車内からカメラを持ったたくさんのファンが駆け降りた。ヘッドマークを見ることができるホームの両端は、たちまちカメラを持った鉄道ファンで埋め尽くされた。

 「押すなよ!」「お前、邪魔!」

 こんな怒声も聞こえてくる。

 しばらくホームにとどまった209系。京浜東北線での役割を終えた車両は、車両基地に戻るため、また静かに動きだした。

 「ありがとう、209系!」。ほおを赤らめ、ホームから遠ざかる209系に声を掛け、見つめる鉄道ファンたち。それだけなら、心温まる情景なのだが…。

 「彼らは『葬式鉄(そうしきてつ)』と呼ばれる人たち」と説明するのは、小学生のころから鉄道を愛して止まないという会社員の男性(32)だ。

 「車両や路線が廃止されるときに、最後の雄姿を目に焼き付けたり、写真に撮りたいという人たちで、多くは良識的だけど、一部で車内で大声を出したり、周りに迷惑を掛けたりする不届き者がいる。思い出の車両との最後の別れを惜しんで訪れた本当のファンは、みんな白い目で見ている」とため息をつく。

 葬式鉄の暴走はしばしばみられるようだ。昨年12月5日には東京と千葉、茨城方面を結ぶ常磐線で「207系」電車が引退したが、この時は2度にわたってカメラを構えたファンが線路に近づき、列車が緊急停止する事態を引き起こしている。

 ■死亡事故から犯罪まで 広がる迷惑行為の数々

 車両を研究する「車両鉄」や鉄道写真を撮る「撮り鉄」、鉄道旅行を愛する「乗り鉄」、鉄道模型を楽しむ「模型鉄」…。さまざまなジャンルに派生するなど、間口の広い鉄道は、ファンも広がりやすいのかもしれない。

 「最近は鉄道に熱中する従来のタイプだけでなく、女性をはじめ、幅広い世代で鉄道に愛着を持ち、親しみをもってくれる人が増えてきていると思う」

 ある鉄道会社の関係者は、現在の鉄道ファンの現状についてこう解説する一方、次のように指摘する。

 「それにあわせて迷惑行為も増加している」

 鉄道各社で頭を抱えている迷惑行為は、ファン同士の撮影場所の取り合い▽鉄道敷地内への無断侵入▽係員のお願いや制止の無視▽鉄道施設に対する落書き、盗難▽記念撮影をする親子や一般利用客に対する妨害行為や罵声(ばせい)▽チケットやグッズの買い占め−などがあるという。

 こうした行為の中には、ただ単に迷惑だけではすまないケースも多い。

 平成20年11月には、神奈川県茅ケ崎市のJR東海道線の踏切で、遮断機の横の空き地に三脚を立てて写真の撮影をしていた男性=当時(47)=が、踏切内に倒れた三脚を直そうとして列車と接触し、死亡するという事故も起きている。男性は近く廃止される列車を撮影するために踏切を訪れ、カメラには事故直前に通過した列車が写っていたという。

 さらには、廃車直前の車両の車号札や、行き先表示板(方向幕)などを記念に持ち帰る「盗(と)り鉄」と呼ばれる不届き者も後を絶たない。これは、窃盗という完全な犯罪行為だ。

 ほかにも、正規の運賃を支払わずに不正乗車するキセル行為の方法や、自ら行ったキセル行為の数々をネット上で喧伝(けんでん)する者も現れているという。

 鉄道各社は、対応に苦慮している。

 「明らかに違法と思われるものには、しっかりとした対応をさせていただいている」と話すのはJR東日本。ただ、実際には、そうはうまくいかないようだ。

 ある鉄道会社の職員が打ち明ける。

 「迷惑行為といっても、正規の賃金を払っている以上、乗客であることに違いはない。危険だったり、違法だったりするならともかく、乗客同士のトラブルではあまり強くモノも言いづらい雰囲気はある。本来なら一般乗客の利便が一番優先されるべきなのだが…」

 ■原因はマナーを学ぶ機会の減少? コミュニケーション能力の低下?

 では、なぜ迷惑行為が増えてきているのだろうか。

 「マナーを教わる機会が減っている、というのはあると思う」と話すのは、日本の鉄道趣味誌の中で最大の部数を誇る「鉄道ファン」の編集部だ。

 同誌では誌面やインターネットのホームページに掲載する鉄道写真を募集しているが、明らかに危険な場所や鉄道敷地内など立ち入り禁止の場所で撮影したと思われる写真もしばしば送られてくるという。

 編集部は「以前はグループで写真撮影を撮ったりすることが多く、その中でさまざまな決まり事を教わることが多かった。しかし、今は“一匹おおかみ”的な人も増え、これまで鉄道愛好家が守ってきたマナーを学ぶ機会が少なくなってきたのではないか」と指摘する。

 「個々人のコミュニケーション能力が低下している。『お客さま』の肩書を乱用し『客だから何をやってもよい』という間違った認識の人が多くなったのではないか」とするのは鉄道会社の関係者だ。

 さらに「鉄道ブームに便乗しただけのテレビ番組や出版物も氾濫(はんらん)している。風変わりな鉄道ファンを追いかける番組や、いいかげんな内容の出版物は、新規ファンの誤解や誤ったブームを形成する土壌になっている」と昨今の間違ったブームの方向性に警鐘を鳴らす。

 次に鉄道ファンが大挙して結集するとみられるのは、3月に行われるJR東日本のダイヤ改正前日だ。この改正では、上野駅発の数少ないブルートレインとして知られる寝台特急「北陸」と、懐かしいボンネット型の先頭車を持つ夜行急行「能登」の廃止が決まっており、通勤型車両「209系」の引退の比ではない“騒動”が予想されている。

 JR東日本では、ガードマンや普段デスクワークをしている応援社員を含めて80人近くが、ホームなどでの警備に当たるという。

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